2007年12月24日

一つの指輪(9)

二人の時を別つ日。


新たな時が生まれる日。



―闇と、雲に覆われたCheydinhalは


――アタシの泣き顔を隠すために、在ってくれたのかもしれない。





049ring.jpg


「理解出来ないって言ってんの。
 なんで今になって・・・そんな事、急に。」

背を向けるFine。それは拒否と逃避の合図だった。


「時が来たね、Fine。
あたしもそろそろ頑張らないと、ね。Fineに置いてかれるよ。」

黙って行くのは簡単な事。
でも、Fineにはちゃんと分かって欲しい。
Ariaには、そんな思いがあった。



「確かにアンタ、昔は言ってたよ・・・旅に出るってさ。
でも、何年も前の話だろう?
ずっとずっと、二人で頑張ってきたんじゃないか!
騎士にも・・・やっとなれたって言うのに。これからだって言うのに!」

なんで行ってしまう。アタシを置いていく?
そんな感情ばかりが渦を巻いた。
本当は、分かっているはずなのに。



「Fineは前に進んでるね。あたしも、凄く嬉しいね。
でも、あたしは進んでないよ。
それが、とても怖いよ。このまま終わりそうな自分が、とても怖いよ。」
Ariaが言う。


本当に、アタシってやつは・・・

つまらない事を言わせてしまっている。



全部、分かってること。

全部、分かってたこと。

全部、分からなくちゃいけないこと。





あの日、13のあの日・・・

泣いたアタシを見て、以来、Ariaは二度と夢を語らなかった。

でも確かに感じていた。Ariaは夢を諦めてはいないと。
ただアタシの夢の実現のためだけに、今は我慢してくれているんだと。


あの日までも、あの日からも

ずっとAriaはアタシを助けてくれた。共に居てくれた。

それが当たり前で・・・あって欲しかった。

当たり前だと、言い聞かせてきた。



だけど!




040ring.jpg


「どうしても行くって言うんなら・・・
 けじめだけは、つけておきなさいよ。Aria。」
剣を抜く。思い出の剣。


昔、CheydinhalにDaedraが現れたことがあった。
応援が間に合わず、アタシとAriaだけで応戦していたのを覚えている。


その時アタシとAriaは・・・

いや、少なくともアタシは――

Cheydinhalを汚させない。その思いだけで戦っていた。


・・・その時が、初めてだったかもしれない。本気で死を覚悟したのは。


そう、
Ariaの斧も、このアタシの剣も、その時Daedraから奪ったものだった。

初めて人の役に立てたと、実感できた日でもあった。




そしてアタシは、今でも覚えている。勝利の後、誓い合ったこと。


050ring.jpg

「ありがとな。Fine・・・。」
剣を突きつけるアタシを見て、Ariaが少しだけ微笑んだ。

切っ先が震える。泣きたかった。


こんな送り出し方しか出来ない、不器用で最低なアタシなのに。

感謝される、資格なんてないのに。



本当に今『ありがとう』って言わなきゃいけないのは、

他でもない、アタシなのに・・・。






Ariaが斧を構える。



あの日あの場所で誓い合ったこと。


アタシ達の、もう一つの夢。

もう一つの目標。





『強くあること』

自分を守れる力があること。
他人を守れる強さがあること。
思いを貫く勇気があること。
人を思える人であること。


自分の夢を、掴んで離さぬ努力をすること。



アタシは、この町を守るために。

Ariaは、一人世界を旅する為に。


誰よりも何よりも『強くあること』




「いくよ・・・Ariaッ。アタシがアンタを試してあげる!」

051ring.jpg

思い切り剣を振り下ろす。ギィィン・・・と、激しい音がこだました。



刹那

弾かれるFine。

バランスだけはかろうじて保っていたが、
たった一合で、大きく後方に押し込まれてしまっていた。



明確な実力差。
自分がAriaより弱いことなんて、ずっと前から分かっていた。


それでも――

「Aria。アンタ魔法が使えないんだよ?
一撃で決めれないで、勝ち目あると思ってんの?ふざけないでよ!」

悪態をつく。次の一撃を振るう。

052ring.jpg

息が切れる。視界が揺らぐ。


それでも、

痺れる両手を心中で叱咤しながら、剣を振るった。

今すぐにでも剣を下ろして「アタシの負けだ」と言えば、
Ariaもすぐに止めるだろう。


でも、それは『手を抜く』ということ。

最後の最後がそんな事では、Ariaに申し訳なかった。


053ring.jpg

鳴り響く黒金の音。

それは永久に続くように思われたが、

終わりは唐突に訪れる。



揺らぐ足、感覚のない腕。

そんなFineを、横薙ぎの一閃が切り裂いた。

054ring.jpg

吹き出る血、飛ばされる体。

歪む視界の中で、

それがアタシが、最後に見た光景だった。
ニックネーム 仮 at 02:45| Comment(4) | Oblivionプレイ

2007年12月17日

一つの指輪(8)

思い出の場所、 在りし日のCheydinhal。





描かれる、 二人の少女。


紡がれる、 二人の物語――。

045ring.jpg

「アタシには夢があるんだ。Aria。」
ぽつり、と、一人の少女が呟いた。


「夢、か? Fine(フィーネ)。」
それに応え、
もう一人が、不思議そうに首をかしげる。
この二人に、親と呼べる者は居なかった。
雑用係として城に仕え、その日の残飯を恵んでもらう日々。


けれど――
今日はFineの13の誕生日だ。
お祝いも兼ねて、二人は町の外まで散歩に来ていた。


「そう、夢。
アタシらみたいな人間でもさ、夢見るくらいはいいよね?」
彼女はそう言うと、少し悲しそうに微笑んだ。


「夢によるね。王様になるは無理。
でも、
お腹いっぱい・・ご飯食べたいっては、あたしもいつも夢見てるよー。」
両手で大っきな『まる』を描きながら笑う、
もう一人の少女。

それを見て、問いかけた少女も『アタシもだ』と、笑い返した。




046ring.jpg

大きく息を吸う。目の前には、変わらず青空が広がっている。


「・・・守りたくて。」
少しだけ考えた後、少女は心を言葉にした。

「ここはさ。Cheydinhalは、さ。
アタシに未来をくれた場所。
アタシとAriaが出会った場所なんだから。」

色んな場所を連れまわされた。
両親の顔は分からない。生まれた場所なんて見当もつかない。
でも、自分が――本当の意味で――生きてきた場所なら分かる。

――だから守りたい。

ここは変わらぬ場所であって欲しい。

変わらぬ、思い出であって欲しい。


「アタシ、騎士になるよ。
女だけど、お金もないけど、いつかはなれるって信じてる。」

言葉を続ける。

本音では、怖かった。
地位も名誉も、お金もない自分。
自身の事で精一杯な奴が、誰かを助ける事なんて出来るのだろうか。
そんな思いが、ずっと頭から離れなかった。


「一緒に、居てくれる?Aria・・・。」

それは、甘えだったのかもしれない。
でも・・・





「あたしにも、夢あるね。」
長い、長い間のあと――実際はほんの数秒だったかもしれないが――
金色の髪の少女が口を開いた。

「あたし、命助けられた事あるね。
昔はいっぱいいっぱい、その人に助けられて生きてたよ。
でも今は、あたしに命くれたそのひと、遠くにいる。
もう一度・・・逢いたいね。
その人居なかったら、あたし居なかったよ。Fineにも会えなかったよ。」
ごめんな、と、視線を落とす。

「Fineとはずっと友達。勝手分かってるけど、そう思ってる。
でも、騎士にはなれない。
あたし、旅に出るね。いつの日か、あの人探しに行きたいね。」

ぐっ と眉に力を込めて、Fineを見る。


・・・彼女は泣いていた。



そんな彼女を見て、

自分も、泣いていた。





― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ―




042ring.jpg

「これが・・・ アンドゥリ・・ル???」


あれから、数刻後・・・
幾つもの扉を破り、幾人もの敵を蹴散らして、わたし達はここにいた。
目の前には光のベールで護られた剣が突き刺さっている。

しかし――





「ほら師匠。
知らないものを欲しがるから、こんな事になるんですよ。
これで何本目でしたっけ?56本目?(笑)」
にやりとするSequentia(セクエンツィア)。くそう。

「うるだま(煩い黙れ)。
まさか塔の中に、こんなに『それっぽい』剣が眠ってるなんて、普通思わないでしょ!」


それっぽい剣・・・と言うのも実は、
他の何十と言う場所にも、これと同様に『いかにも』な装いで剣が安置されていたのだ。
はっきり言って、どれが何だか分かったものではない。
うーん。ARAGORNが居たら・・・


「あーコレ、昔ばーちゃんがニンジン切るのに使ってたね!これがアンドゥリルに違いないね。」
叫ぶAria。ニンジンってアンタ・・・。



「ニンジン切るのにアンドゥリルとか、どんだけー! ですね。」

「Sequentia、それもう微妙に古いから。」

「どんだけー・・・。お気に入りなのに。残念です。」
肩を落とすSequentiaが、少し可愛い。


・・・

ま、とりあえず、
ここは全ての剣を袋に詰め込んで先に進みましょうか。
あとでARAGORNが鑑定してくれるはずだし、ね。




― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ―


それにしても

043ring.jpg
044ring.jpg

敵の多いこと多いこと・・・

剣持って真っ正直に向かってくるのなら良いんだけれど、
これでもかと言わんばかりに 遠距離から弓矢を射られるのは正直辛い。
基本的にSequentiaやAriaは魔法を使わないから、こういう戦い方をされると どうしても苦戦を強いられてしまう。


(うーん。
二人にも魔法を教えるべきかも。)
真剣に考えておいた方が良いかもしれない。




――と、

突如、視界の端に影が走った。

何かがいる・・・
殺気は特に感じないけれど、生命感知を使うべきか?



ううん・・・焦らされるのは好きじゃない。
わたしは二人に目配せすると、影に歩み寄っていった。

その影の正体を、確かめるために。
ニックネーム 仮 at 23:25| Comment(2) | Oblivionプレイ

一つの指輪(7)

040ring.jpg

「どうしても行くって言うんなら・・・
 けじめだけは、つけておきなさいよ。Aria。」



遥か昔にも・・・つい、最近の様にも感じる出来事。



―闇と、雲に覆われたCheydinhalで


――アイツは、アタシを捨てた。




― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ― ◇ ―




039ring.jpg

「寝ーすーぎーねーーーーーーっ。先進めない。」

Ariaが落ちつかなそうにウロウロし始める。
目覚める様子のないSequentiaを見て、若干イライラしているようだ。 



まだ3秒しか経っていないって言うのに。



「そう焦らないの。こうしている間にも、ARAGORNがこちらに向かっているはずなんだから。
攻略は遅れるけど、そういう意味でなら、そう悪い事態でもないでしょ。」

って、そうは言うものの・・・
わたしは出来れば、ARAGORN抜きで事を進めたい。
まあようするに これは嘘。

・・・だけど、慌てるほどでもないのは確かだし、ゆっくり行きましょ。




「おっさん来るんか?
やー。それ、悪い事態ね。分け前減るよ。敵の数、限られてる。」
Ariaはあくまで戦いたいらしい。わたしのフォローは空しく終わった。
でも めげないめげない。


「気にしなくていいわよ。わたしの分まであげるから。
それより、あまり気は抜かないでね。一応、戦場だし。」

「一応って何か。ここ戦場に間違いないよ!
でも、確かにThrenodyあんまり戦わない。だから戦場でもどこでも関係ないて言えるね。
んーん。
まー、あたしは大丈夫よ。気は抜かない。その辺のとは鍛え方違うね。根っこから。」
力こぶを作って、笑ってみせるAria。確かに、Ariaの膂力には目を見張るものがある。



実際


Ariaは小柄だからそう思われない事が多いけれど、彼女は北方のNord族だ。Nordって言ったら金髪碧眼、体躯に恵まれて、寒さにやたら強いことで有名な種族である。
Bretonな わたしにしてみたら、その強靭な肉体がうらやましくて仕方ない。

とは言ってもAriaはNordらしからぬその外見故に、幼い頃から大変だったらしい。彼女が今あれだけの力をもっているのも、恐らくは血の滲むような鍛錬あってのことなんだろう。



Sequentia
「ん・・・。」
さて、Sequentiaが身じろぎをした。
じき目を覚ますに違いない。これで先に進む事ができる。


でも、一つだけ気になることがある。
ARAGORN、彼はどうしたのだろう。
そろそろ到着していても良い頃だとは思うのだけど・・・。
ニックネーム 仮 at 00:05| Comment(2) | Oblivionプレイ

2007年12月12日

一つの指輪(6)

「サウロンとの戦いは、わたし一人に任せて。必ず倒すから。」








036ring.jpg


迷子になりました。




Threnody
「そりゃ一人でやるって言ったけど、ほんとに何にも助けてくれないなんて・・・。」

あれから一ヶ月、わたしはまだ『Lair of the Witchking』を見つけられずにいた。
『なんか北の方』という情報だけを頼りに頑張ってるんだから、わたしって結構 頑張りやさんなのかも知れない。

でも、これだけ時間を割く価値は十分にあると思うんだよね。
世界の危機もそうだけど、伝説の剣『アンドゥリル』を一目見てみたいという気持ち・・・

そして何より、わたしはあの『サウロン』と戦ってみたい。
わたしはサウロンが、どんな格好をして、どんな武器で、どんな魔法を使ってくるのか・・・全く分からない。
だからこそ、知りたい。体験したい。



わたしの『敵を永遠に踊らせ続ける魔法』で、踊り続けるサウロンを見てみたい!(本音)




「一刻も早く探し出さないとね・・・。私の楽しみを、誰にも邪魔されたくないし。」

そんな不純な思いを胸いっぱいに、わたしは再び歩き始めた。





―――





026ring.jpg


Aria
「長い回想だったね!あたしの出番無さすぎね!!」
あなた途中で帰っちゃうからでしょ。


Sequentia
「と言うか、そんな野望があったんですね!師匠!」
野望って言うより、妄想だけどね。



とまぁ色々あって、やっと全ての回想終了です。



Threnody
「とりあえず、経緯はどうであれ・・・
ここまで来ちゃったんだから、やる事は一つでしょ。」
二人を交互に見ながら、決断を促す。


Aria
「おういえ。走って、殴って、また走る。ね!」
それに素早く反応するAria。


けれど


Sequentia
「え?でも師匠、今の話だと・・・ARAGORNさん待たなくていいんですか?」
話に疑問を持つSequentia。うーん、やっぱりか。

Threnody
「一応彼には、この場所を伝えてあるわ。その内来るでしょうけど、待つ必要は無いでしょ。」
軽く答えるわたし。あんまり待ちたくないの。

Sequentia
「ですが、彼の鎧がないと封印を――Threnody「@unlock@」――ってああ!?」
難なく門の封印を解く。外法万歳!


Aria
「Threnody。それ、禁呪指定の開錠魔法ね。見つかったら姉様に怒られるよ。」
珍しくまともな事を言うAria。でもそれはそれ。これはこれ。

Threnody
「やめてよAria。縁起でもない・・・。」
Ariaの忠告に そう答えながら、わたしは重い扉を開けた。
・・・ちょっとだけ、胸が高鳴った。





・・・




037ring.jpg

???
「うっ・・・。」

けれど、入ったと同時に聞こえる呻き声。



・・・?



半ば慌てて周囲を確認すると、足元に気絶したSequentiaが倒れていた。



Threnody
「え?えええ!?」

あわてて駆け寄るが、外傷は特に見当たらない。
傷一つ無いのに気絶するなんて、恐ろしい子!





「Threnody。ぼーっとする良くないね。敵来るよ。」

Ariaが ぬぅ゛――っと 斧を取り出しながら、わたしに言う。
眼前にはオークに似た生き物――サウロンの尖兵たる『ウルク―ハイ』が迫ってきていた。彼らはその2M近い体躯に、大質量の筋肉と鋼の鎧を纏っている。並みの戦士では、まず相手にもならないだろう。危険な敵だ。

でも、そんな状況であっても、Ariaはちょっと嬉しそうだった。



「あなたに任せるわ。」
軽く手を振って答えるわたし。
数分後、Ariaはその期待に反することなく、ウルクハイ2体を葬っていた。

038ring.jpg




039ring.jpg


Threnody
「Sequentia、どうしたのかしら。」
Sequentiaの呼吸は整っている。外傷は無いし、呪いや病気の類でも無さそうだ。とりあえず、その場に腰を下ろした。
今のところ、他に敵は見当たらない。


Aria
「きっと脳震盪ね。壁に頭ゴツンやってるの見たよ。」
自分の頭を ‘ぐー’ でゴチンとやりながら、Ariaが言った。


Threnody
「・・・冗談でしょう?」


この調子だと、どうやら先は長そうである。
ニックネーム 仮 at 20:55| Comment(4) | Oblivionプレイ

2007年12月09日

一つの指輪(5)

遥か昔、世界には『力の指輪』が在った。


それはサウロンが造り、世界の王達へと贈った暗黒の指輪。



そして・・・

サウロンは密かにそれら全てを支配する『一つの指輪』を造り、彼ら王を、延いては世界を支配する事となった。






032ring.jpg

「サウロンの伝説は知っているけど・・・それが?」

雨の中呼び止められ何事かと立ち止まる。しかし、聞かされたのは単なる幼稚な御伽噺。
一体なんだというのだろう。


「重大な話だ。君の使命に関わるほどの。」

ますます分からない。――使命?
今、使命と言われるほどの大きな依頼は抱えていないんだけど。
何の話だろう?


「何の事か良く分からないけれど、貴方の真剣さは伝わってくるわ。
ただ――話が続くようなら、とりあえず、どこか屋内に入りましょうよ。」

普通に考えたらこんな男、無視すればいいだけの話だ。ぱっと見、身なりも大した事はないし。
でも、この男性にはそうさせない何かがあった。身のこなし一つをとってもあらゆる達人のそれを上回っている。ここで別れるにはあまりに惜しい人。それに、すんなり帰してくれるとも思えないし。


「そうだな、失礼した。場所を移そう。」
彼が歩き出す。わたしはSequentiaに目配せすると、彼の後についていった。




――





こうして、場面は前回の1シーンへと戻る。



「師匠。ぼーっとしてないで、彼の話を聞いてあげてください。」

はいはい・・・。分かりました。Sequentiaに言われて、妄想の世界から戻ってくるわたし。


「すまないが、出来れば二人で話がしたい。二階のコモンスペースに来てくれ。個室である必要はない・・・そこで話をしよう。」

言われるままに、Sequentiaを階下に残して二階に上がる。
ARAGORNを名乗るこの男性は、一体何を聞かせてくれるのだろうか。




034ring.jpg


「失礼――。」
わたしは一言そう断ると、着席した。彼は立っていたいようだったけれど。


「話というのは他でもない。闇の王『サウロン』に関する事だ。」

・・・
沈黙で答えた。話を続けてもらう。


「単刀直入に言おう。『サウロン』が復活しようとしている。彼の手勢はまだ少数だが、遠くない未来、この世界の危機となるだろう。」


「復活する?どうして?」

馬鹿っぽい質問だけれど、つい口に出てしまった。
サウロンの復活。
確かにサウロンは、かつて確かに存在していたと伝えられては・・・いる。
とは言っても、死んだ今となっては やはりただの御伽噺。
あんまり真に受けるべき話じゃあない。でも、当のARAGORNは大真面目のようだ。


「『聖Alessia』の血の系譜が途絶えようとしているからだ――皇帝が殺された事によって。
始祖たる『聖Alessia』は、竜神『Akatosh』と契約することでOblivionの門を封印してきた。しかし、今その契約の証となる『Amulet of Kings』は君の手の中にある。
これでは契約は成立しない。Oblivionの門が開かれようとしている。」


Amulet of Kings・・・
ああ、あれね。――って言うかこれか。
荷物入れからAmuletを取り出す。
身に着けようと思っても上手く行かず、捨てようと思っても捨てられないというまさに呪われたAmulet。わたしにとっては邪魔以外の何物でもないんだけれど。


「Oblivionの門が開かれる事によってサウロンは勿論、Daedra共も大挙してやって来る事になるだろう。そうなっては遅い。力を貸してはくれないか?」
ARAGORNが続ける。

うーん。どうやらこれは、想像以上の大事になりそうだ。
多少なり手伝うしかないんだろうか。『Amulet of Kings』を抱え込んでしまっていたわたしにも、責任の一端はあるし。
にしても、厄介なものをくれたものね・・・本当。





033ring.jpg

「どうしてわたしが『Amulet of Kings』の所持者だって知っているのか知らないけれど・・・まあいいわ。具体的にはどうして欲しいの?
最終的には、わたしがこの『Amulet of Kings』を後継者に渡せばいいのかしら。」


「君はきっと、君自身が思う以上に有名人だThrenody。急いだ方が良い。闇の手は迫っている。皇帝陛下は何も言っていなかったのか?」


記憶が蘇る。あの日、あの場所で亡くなった彼は、わたしにJauffreに会うよう言っていた。


「確かに言われた気はするけれど、雲を掴むような話だったわ。
まあ・・・わたしはそれに従うとしても、貴方はどうするの?」

彼は力を貸して欲しいといった。それはこのJauffreを探せと言う、お使い程度の用事を指すのだろうか?
きっと違う。


「私には、サウロンを倒す使命がある。奴は今、『Lair of the Witchking』で手勢を整えている。その詳しい位置は分からないが・・・Daedraとサウロンが共に暴れ始めれば、もうOblivionの門を封じるどころでは無くなってしまうだろう。それだけは防がなくては。
君には『Lair of the Witchking』の位置を特定してもらいたい。世界随一の冒険者である、君に。」

おだてられても何も出ない。
けれど、久しぶりに右手が疼いた。


「私は、かつての友をあたるつもりだ。彼らが保管する王家の鎧が、『Lair of the Witchking』の障壁を打ち砕いてくれる。
かつてサウロンを打ち破った際に、残念ながら・・・王家の剣は奴らの世界に持っていかれてしまっているが、それは『Lair of the Witchking』で回収できるだろう。」


まったく

これだけ話してくれるなんて、彼、ARAGORNはわたしを信用してくれているということなのだろうか。
もっとも・・・わたしが敵だったら、『Amulet of Kings』を片手にこんな場所をフラフラしているはずもないけど。








035ring.jpg

「分かったわ。」
席を立ちながら、了解する。



今になって思い出した。
『一つの指輪』のARAGORNと言えば、祝福されし長寿の民『ドゥーネダイン』の長だ。
そして、かつての・・・第2の伝説の、『旅の仲間』のリーダーではないか。


「ただ・・・一つだけ条件があるの。」
ARAGORNがいぶかしむ。

「条件?」

問いかけられた わたしは軽く深呼吸をし、次の言葉を紡ぐ。





「サウロンとの戦いは、わたしに一人でやらせて。必ず倒すから。」
ニックネーム 仮 at 17:50| Comment(4) | Oblivionプレイ

2007年12月06日

一つの指輪(4)

わたしが塔を目指した原因。それは数ヶ月前にさかのぼる。

あれはそう・・・ 暑い・・・ とても暑い夏の日のこと。





今でも忘れない、あの日。

わたしとSequentiaは、別離の危機を迎えていた。





かつてない大喧嘩。きっかけは些細な事だった。


そう――

『信念の相違』 『考え方の違い』
なんとでも言い方はあるけれど、そんなのは言い訳に過ぎない。






027ring.jpg


人には  ・  譲れない  ・  一線があるッ


Threnody
「それは無いよ。ほんと無いって。
馬はナイトメア。盗賊はGLAYFOX。
闘技場はGrayPrinceで、夜食と言えば肉まんでしょ。」


Sequentia
「何言ってるんですか。
馬はペガサス。盗賊はBlackBow盗賊団。
闘技場はタマネギで、夜食と言ったらあんまんですよ。」



適当に言うわたし。
大真面目なSequentia。


なぜか譲らない二人。
呆れて帰るAria。



埒が明かないから、結局どっちも食べることにしました。いい思い出。






同日


028ring.jpg


ここは木の上のレストラン―― って言うか町なんだけれども。

ここで楽しむ食事は最高だって聞いたものだから、つい来てしまった。





029ring.jpg



さえずる小鳥

歌う木々――

下界は遥か遠く、ふはは。まるで人がゴミのようだ異なる世界を体験させられる。


どこかから わたしを呼ぶ声も聞こえだして、

まるで夢の世界のよう――






030ring.jpg


夢でした。



実のところ、この町に入った時には既に雨。景色を楽しむどころではなくて、オープン・カフェは見送りに。

外は陰鬱。見えない景色。仕方ないから屋内で食べてます。



「師匠。ぼーっとしてないで、彼の話を聞いてあげてください。」

ふと気がつけば、横でSequentiaが怒っているみたいだけど・・・

うーん。もっと夢の世界にいたかったのに。残念。




と、先に進むその前に。

少し時間を戻して、状況を詳しく話す必要があるだろう。



ここは木の上の町Solace。

あの後、わたし達は町に着いたものの、外は雨。当然素敵な景色など期待できるはずも無く・・・

とりあえず ひとしきり悔しがった後に、それでも折角だからと、わたしは外を見て周っていた。



そうして・・・
あてもなく歩き、疲れ、

そろそろ何処かに入ろうか――


そう、そう考えた時だった。彼と出会ったのは。




031ring.jpg

ARAGORN。わたしを塔へと導いた人。ちょっとだけ重要な人。
ニックネーム 仮 at 21:16| Comment(3) | Oblivionプレイ

2007年12月02日

一つの指輪(3)

夜と闇、醜悪と嫌悪を司るもの。


あらゆる陰と、暗黒を支配するもの。


魂のDaedra、『―Namira―』







018ring.jpg



の、神像の前に私たちは居た。





西方の焔、『アンドゥリル』が眠ると言われる『Lair of the Witchking』を目指していたはずなんだけど・・・道は遠い。




019ring.jpg

と、そんなような事を考えていると
一人の個性的な女性が こちらに話しかけてきた。
決して友好的だとは言えないけれど、他の信者さん達よりはどうやら話が通じるようだ。



「ここは祝福されし暗黒の場所。我らの悲惨を崇拝するための我らが聖地。なぜ貴女はここに参られたのか?」

いきなり問い詰められる。

乱暴な物言いではないけれど、彼女からは『なんだ貴様!!』というオーラがひしひしと伝わってきた。うーん、どうしたものか。





「Namira様を崇拝致したく――思いまして。」

取り合えず答えるわたし。別に嘘ではなかった。



――いや、嘘なんだけれども、
Namiraの好意を得て Namiraの祝福(Namiraの秘宝)を得ようと思うなら、こうするより他に方法はない。

Namiraに仕え、Namiraの為に一仕事する事で、
その報いの証として初めて祝福を得る事が出来るのだから。




020ring.jpg


あえなく撃沈してしまった。

どうやらわたしは『相応しくない』そうだ。


うーん。
Namiraの秘宝は、後々必要になってくると思うんだけど・・・仕方ない。
今の目的は他にある。



「諦めるんですか?珍しい!」

隣でSequentiaが驚きの声を上げる。そんなに普段のわたしは聞き分けが無いんだろうか。


「醜い、嫌われ者になってからじゃないと駄目らしいのよ。それも相当に、ね。――それなりに準備が要るわ。」

ただ醜くなるだけなら簡単だろうけど、問題はその後・・・どうやって元に戻るかにある。失った信用や美貌ほど、取り返し難いものは無い。
とりあえず、保留の案件だ。





そして、そこからまた長い旅が始まった。


022ring.jpg

旅の途中では、緑豊かな土地もちらほらと存在した。山脈を迂回した為に、知らず知らず南下してしまったのだろう。
少々足の遅い二人を待ちながら、景色を楽しむ事にする。



023ring.jpg

この辺りはちょうど、帝都北部の山脈にあたる。

024ring.jpg

大岩に登り南に目を向けると、眼下には広大な景色が広がっていた。こんな素敵な報酬があるのだから、旅というのはやめられない。





そして二日後、

そこから更に北東。一面、白く吹雪く大山脈に、ついに足を踏み入れる。

ほとんど未開の地と言って良いこの場所には、トロールをはじめとする凶暴な獣が数多く生息している。非常に危険な場所だ。


しかしAriaとSequentiaが奮闘してくれたおかげで、わたしは何もしなくてもわたしも力を遺憾なく発揮でき、それらの敵を打ち倒してくることが出来た。うーん素晴らしい。





Aria
「何ぶつぶつ言ってるねThrenody。目的地見えたよ。」


「え、本当?」
あまりにやる事がない考える事が多かったから、ついぼーっとしてしまった。


025ring.jpg

見上げてみると、確かに遠くに、黒く聳え立つ物が確認できた。
なるほど。あれが『Lair of the Witchking』に違いない。





026ring.jpg

この場所に『あいつ』がいる。――考えるだけで心が躍った。




そう、はじめから、

わたしは『アンドゥリル』になんて興味は無かった。


昂る気持ちを抑えながら、わたしは中へと、足を踏み入れた。
ニックネーム 仮 at 09:35| Comment(2) | Oblivionプレイ

2007年12月01日

一つの指輪(2)

その指輪を捨てなければ、 この世は闇となる。





古の闇の王、『サウロン』を打ち倒した伝説の剣ナルシル――

それが今では『アンドゥリル』と名を変え、復活の時を待っているという。


013ring.jpg


それを聞いた私はAriaとSequentiaの二人を連れ、

Brumaの遥か東・・・
剣が眠っていると言われる『Lair of the Witchking』なる場所を目指して旅を始めていた。






015ring.jpg

「んー
 どうしよっかな。」
ぼーっ・・と、 道を見つめる私。


Sequentia
「どうしたんですか?行くのなら早く行きましょうよ。
・・・あっ!?
まさか道に迷ったんですか?」


「んー・・・。」
半分正解。
道に迷ったって言うよりも、道の選択に迷ってるって言う方が正しいから。


「あたしには見当ついたね。
Threnody、ろくでもないこと考えてる!」

Ariaが後ろの方で何やら叫んでいるようだ。
ろくでもないとは随分な。


「ろくでもない・・・かどうかは分からないけど、
ちょっと近道しようかなってね。
二人だって、早く着きたいでしょ?」


「それはそうですよ。寒いですもん。
でも師匠。
近道と言っても・・・一本道ですよ? どこかに抜け道でもあるんですか?」

全くの正論である。
けれど、道なんていうものは自分で切り開くものだ。


「そんなのないわよ。
ただ・・・
このまま道沿いに行くよりも、森・雪原・山脈etcを突っ切っていった方が 早く着くんじゃないかなって思って――。」



・・・

「ほら、ろくでもないね。」

ため息交じりに、 ふぅ――と『やれやれ』をしてみせるAria。

けれど実の所、Ariaは結構無茶が好きなのだ。
今回のこの提案も、彼女にしてみたら満更でもないはずなんだけど。


「むむむ・・・
でも師匠が行くと言うのなら、たとえ火の中水の中ッ」

「一般人なら分かるけど、
わたし達ならキツくないわよ。大丈夫大丈夫。」

Sequentiaがあまりに深刻に考えていそうだったから、
軽く言葉を返しておいた。




とは言え・・・

ここは北の地。果ての辺境である。

ただの雪道でも疲れるというのに、壁のような登りと崖のような下りが連続するこのルートは、わたし達のような人間であっても厳しい事に変わりはなかった。





特に、約一名・・・



016ring.jpg

Aria「あ゛〜〜〜〜」


超重量の武器がアダとなったのか、
Ariaが 目の前を転げ落ちていく。



017ring.jpg

Aria「はぅっ。」


うーん。
このルートは失敗だったかもしれない。
ニックネーム 仮 at 22:55| Comment(2) | Oblivionプレイ

2007年11月29日

一つの指輪

その指輪を捨てなければ、 この世は闇となる。

遠い昔、闇の王サウロンは密かに世界を滅ぼす魔力を秘めた「ひとつの指輪」を作り出した。サウロンは自らの残忍、邪悪、支配、という欲望をこの指輪に注ぎこんだ。

自由な大地は指輪の力を得たサウロンの手に落ちて行く。

勇気ある者達が立ち向かい、一人の勇者イシルドゥアがサウロンの指を切り落とすことに成功した。サウロンが破れたのだ。指輪はイシルドゥアの手に渡り、悪を永久に滅ぼす唯一の機会を得た。しかし指輪はイシルドゥアを裏切り、死に追いやることになる。

サウロンは死んだが、その邪悪な魂は指輪に込められたまま時と所有者を変え、いつしか伝説となっていった。






有名な、「一つの指輪」の伝説。


でも、これが伝説でないとしたら・・・。





012ring.jpg




某月某日、Bruma――

一面、白く覆われたこの町に、私たちは居た。


と言うのも この地の近くに、
伝説の闇の王『サウロン』の塔が在ると聞いたからだ。


正義感、と言うよりはむしろ一冒険家として、
これは絶対に 捨て置くわけには行かない情報だった。





013ring.jpg

Sequentia
「流石ですね師匠!
どんな小さな災厄の影も見逃さないなんて、尊敬します。」



「災厄? 何かあったの?Sequentia」


「・・・え?違うんですか?」


Aria
「違うねSequentia。日頃の憂さ晴らしが目的。存分に殴れる。」

「!
師匠・・・。私の知らない間に、そんなにお心を病んで・・・。」



「違うから。断じて違うから。
ねぇ貴方達、西方の焔『アンドゥリル』って知ってる?」


「何です?人名ですか?」

「『西方の焔』なんて恥ずかしい通り名、決めた奴の顔を見てみたいね。」



「んー 知らないか。
『西方の焔』アンドゥリルって言うのは、かつてサウロンを葬った剣『ナルシル』の刃を鍛えなおしたものよ。それがね、件の塔に眠ってるって噂なの。その切れ味、気にならない?」

「ふむふむ。まあ気にならない、と言えば嘘になります。
でもそれだけの理由なら、家で寝てた方がマシです。ここ寒いんですもん。」

「興味ないよ。どんなに切れたって、あたしの斧に勝るものは無いね。そんな事してる暇あったら、山賊狩りでもしてた方が楽しい。」

こ、こいつら・・・



「兎に角! そういうわけだから。
これから行軍するわけだけど、ちゃんと着いて来る様に!」


014ring.jpg
ニックネーム 仮 at 04:42| Comment(0) | Oblivionプレイ

2007年11月26日

信頼

『退屈』なのは嫌いだ。たぶん、誰もが。

しかし私は、つい先日まで・・・
こともあろうに、Imperial Prisonに投獄されていた。見に覚えのない罪で。


そこでは当然、安いエールの一滴すら楽しめず、話し相手といえば喧しい『Dark Elf』が一匹だけだった。
もっとも、一方的に向こうが此方を罵っていただけだけれど。




まあ そこから紆余曲折あって脱獄・・・

今は戦士ギルドに厄介になっている。



幸い私の脱獄劇は、世間には広まっていないようだった。








001irai.jpg


さて、

生きていくためにはお金が要る。遊びたいなら尚更だ。

先の依頼を終えた私はギルドに戻ると、早速次の仕事に取り掛かることにした。



「Norbert Lellesね? 了解。その人はどこに?」
Anvil戦士ギルドの長、Azzanに依頼の説明を受ける。

「彼は ここAnvilの、Lelles' Quality "Merchandise"を経営しているよ。だが、どうも泥棒に悩まされているらしいくてね。それで我々に助けを求めたというわけだ。」

泥棒か。ネズミと言われるよりは、随分とやる気も出る。
不謹慎かもしれないけれど、やはり仕事に『やりがい』は大切だ。




002aria.jpg


時計を見ると、針はもう午後を回っていた。もしも良い結果を出したいのなら、ここは急いだ方が良いだろう。

暇だったのだろうか。油を売っていたAriaを連れ、私はMerchandiseへと向かった。


・・・私には二人の仲間がいる。
AriaとSequentia、最近知り合ったばかりだけど。

もう一人の仲間、Sequentiaはどこをほっつき歩いているのだろう。






003irai.jpg
目的の店を発見し、Norbert Lellesらしき人物に話しかける。



「私がNorbert Lellesです。どうかしましたか?」
や、私は別にどうもしないんだけれども。

「戦士ギルドの者です。盗賊に悩まされているとか。」
と、
そう私が確認すると、彼は語気を強めて訴え始めた。


「盗賊!そうです! ここ数ヶ月で、私は多くの商品を失ったんだ!
 補充をしては盗まれるの繰り返し・・・
 新しい錠に変えたって言うのに、役立たずの鉄クズめ!!」

相当ご立腹のようだけれど、悲しいかな・・・錠に新古の概念は無い。easyか、hardかだけである。それにしても、何ヶ月もよく耐えたものだ。


「やつらは何時も夜に入ってくる。俺が寝入った後に!
思うに、奴らの仲間に魔法使いがいるんだよ。そしてそいつが魔法で、盗人を店の中に移動させてるんだ。」
開錠の魔法の事を言っているのだろうか。転移の魔法なんて聞いた事がない。

「さて、そこでだが・・・君には一晩、剣を片手に店番を頼むよ。そうすれば、この事件は解決できるだろう?問題無く。」

その解決手段は、私が最も得意とするところ。願ってもいない提案である。でも、店内が戦場になるというのに、不安はないのだろうか。


私の心配をよそに、彼は「報告待ってるよ」と言うと、隣の酒場に行ってしまった。
ううん。緊張感に欠ける人・・・。








004irai.jpg


「と、言うわけだから。」



遅れてきたSequentiaに依頼内容を話し、手順を確認する。
もう夜も遅い。そろそろ気を引き締めておかないと。



「店の中で迎え撃つ事になると思うけど、店に被害を与えないように――って」

005irai.jpg



貴女達っ どこへっ!?
まさか もう来たの?



006irai.jpg

Aria「ハーハッハッハッハ!!」
紅の大斧を振り回し、Ariaが奇声を上げながら突撃する。これじゃあ、どちらが悪役か分かったものではない。



対して水色の髪。対照的に、距離をとって弓を番えるSequentia。
彼女の弓は、よく味方に当たると評判だ。
ダメじゃん。





008irai.jpg

あっという間だった。犯人は三人組。Ariaの斧を掻い潜り、私に襲い掛かってきた者も居たけれど、はっきり言って弱すぎる。ご愁傷様。


鎧を着込んではいるけれど、実戦経験に乏しかったのだろう。戦いの素人と、彼らの動きは さほど変わらなかった。
・・・こんなことをしなければ、長生きできたというのに。





009irai.jpg

死体と夜を明かす趣味はない。早速報告に行く。

Sequentia「わたしは此処で待ってますよ。酒場とか、そういうのは嫌いなので。」


ご随意に。







「事件は解決したのかい?」
店に入ると、依頼人の下へ歩み寄る。Norbert Lellesは、エールを片手に私に問うた。


「一応はね。死体の片付けはしてないけれど。」
答える私。Norbert Lellesの動きが止まった。詳しい説明をする必要があるだろう。




・・・



「なるほど、三人組の盗賊か・・・。ん、でも待てよ?三人とも、君の言う特徴には覚えがあるぞ?」

「覚え?」

「ああ、そうだ!! 覚えがあるも何も、全員俺のところで働いていたものじゃないか!!!なんてことだ!!!」
少し話が見えてきたけれど、もう遅い。


「俺は彼らを信頼していたのに・・・。毎朝、俺の代わりに店を開けさせてもいたんだぞ。何でこんな事を・・・。」
そう呟く彼を見て、もっと穏便に済ませるべきだったのかと、少し後悔した。でも、知人だろうと何だろうと、盗人は盗人。情で判断すべき事柄でもないのかもしれない。




「報酬だよ。」
そう言われ、彼を見た。


「助かったよ。ありがとう。」
ぎこちない笑みで言われる。――どういたしまして。

そして幾許かの金を受け取って、私は酒場を後にした。

AriaとSequentia。二人が私を待っていることだしね。
011irai.jpg
ニックネーム 仮 at 00:45| Comment(0) | Oblivionプレイ